2024年7月開催「日本版DBS制度の今後と協会のガイドラインについて」セミナーレポート

2024年7月開催「日本版DBS制度の今後と協会のガイドラインについて」セミナーレポート

皆さん、こんにちは!塾エイド事務局です。

2024年7月に塾エイドで実施しましたオンラインセミナー「全国学習塾協会が登壇!~日本版DBS制度の今後と協会のガイドラインについて~」の内容を紹介いたします。

講師は、公益社団法人全国学習塾協会 会長 安藤大作氏と、同協会事務局長 中村紘二郎氏です。

「日本版DBS制度」について理解を深めていただき、生徒を守る立場の学習塾としての対応について、改めてお考えいただく機会になれば幸いです!

ぜひ、お読みください!!

公益社団法人全国学習塾協会 会長 安藤大作氏 ご挨拶(要旨)

セミナーのはじめに、全国学習塾協会会長 安藤大作氏より、ご挨拶をいただきました。

<以下要旨>

(2024年6月19日に)「日本版DBS法」が可決されました。このDBS法案の今後、および全国学習塾協会の取り組みについて、ご説明申し上げます。

このDBS法案に関しては、塾業界や民間教育業界の信頼を担保していくためにも必要なものです。

法施行まで約1年から2年をかけて、国の様々な有識者会議のなかで、これから細かいところが決められていきます。

私たちはその有識者会議にしっかりと入って、現場の声を届け、現場に即した形で法施行までの取り決めがなされていくように活動をしていきたいと思います。

また、個人の塾や小規模な塾にとっては、この「DBS法案」には対応しづらい面もあろうかと考えます。対応できない学習塾は、消費者に「信頼できないところ」という誤解を与える心配があります。

全国学習塾協会は、規模を問わず、日本の塾を支える立場であり、またご加盟をお願いしている立場でもあります。

そういった意味で、協会では安心安全のガイドラインを作成しました。このガイドラインにチェック項目を設けて、クリアしていただくことで、日本版DBSの手続きでなくても「業界団体として安心安全である」と消費者に訴求できるようにしたいと考えております。

また、「安心なところ・安心じゃないところ」というような行き過ぎた誤解が生まれることがないよう、公益社団法人として仕組みをこれから作ってまいります。

全国学習塾協会は、このようにこれからも塾業界全体を支えていく活動をしていきますので、皆さまにもぜひ、お支えいただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【講師紹介①】

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公益社団法人全国学習塾協会 会長 安藤大作氏

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【協会概要】

公益社団法人全国学習塾協会は、民間教育を担う団体・個人に関する支援及び能力開発、調査研究、地域社会に対する貢献の推進等を行うことによって児童及び青少年等の学力養成の推進に寄与し、より良い社会の形成を推進することを目的として設立。

会員数は最大で、学習塾業界唯一の公益法人です。業界唯一の公益法人として、国や行政省庁との窓口を担っています。健全な事業活動を支えるために絶えず情報発信を行っています。

▼公益社団法人 全国学習塾協会について

「日本版DBS制度」法案概要

◆「DBS」とは?

「DBS」は、英国内務省が所管するDisclosure and Barring Serviceの略称で、性犯罪歴がないことの証明を発行する組織のことです。

「日本版DBS制度」はこの英国の制度にならって、「児童虐待防止等のための雇用における人物調査制度」として、特に教育機関や児童福祉施設などで働く人々の背景調査を行います。

これから学習塾で働きたいという求職者および、現在すでに働いている従業員についても、過去に性犯罪歴がないかどうかを調べることができます。

◆ 学習塾と日本版DBS制度

小中高校や児童養護施設などが「義務」、つまり雇用者に対して性犯罪歴の確認を必ずしなければならないのに対し、学習塾は「認定制」で、認定の取得は「任意」です。

(出典:全国学習塾協会セミナー資料)

「児童等への性暴力を防止するための措置」として、認定を受ける際に学習塾が講じる必要があることは、法案をまとめると下記の4点に集約できます。

■ 教員等の研修

■ 児童等の面談/児童等が相談を行いやすくするための措置(相談体制)

■ 児童等への性暴力の発生が疑われる場合の調査、被害児童の保護・支援

■ 特定性犯罪前科の有無の確認

このうち「特定性犯罪前科の有無の確認」は、学習塾からこども家庭庁に申請し、こども家庭庁が法務省に犯罪歴を確認、回答を得ることになります。

照会の結果、「特定性犯罪歴あり」となった場合は、当該者を児童・生徒と接する機会がある業務に従事させてはなりません。

また、対象事業者は、情報管理を適正に行う義務、一定期間経過後の情報消去義務があります。

(出典:全国学習塾協会セミナー資料)

「日本版DBS制度」の詳細は未定で、法律施行期限である2026年12月までの2年半以内に、有識者会議等で今後決定される予定です。

「日本版DBS制度」については、塾エイドの記事でも詳しく解説しております。

こちらもどうぞご参照ください!

▼「『日本版DBS制度』導入の背景~学習塾に求められる対応は」

学習塾の懸念点

「日本版DBS制度」の導入にあたって、学習塾経営者の皆さまから、様々な懸念や質問が、全国学習塾協会にも寄せられています。今後の見通しについては、学習塾の「日本版DBS制度」認定取得は任意ですが、認定事業者のリストが公開され、また、認定事業者は認定マーク(仮称)を広告媒体に掲載が可能となる予定です。

そのため、今後、保護者・生徒が学習塾を選定する際に、認定の有無が新たな基準となる可能性が高く、ほとんどの学習塾事業者は認定取得に向けて動くことになりそうです

「日本版DBS制度」が施行されると、性犯罪歴のある小中高校教職員が、数年の「冷却期間」を経て再び学校の教育現場に戻るということができなくなります。そういった人材が学習塾に流れてくる可能性に備えるためにも、認定を得ることは重要となるでしょう

「日本版DBS制度」の申請は、大手フランチャイズ事業者の傘下の塾であっても、各加盟店ごとに行うことになる可能性が高いので(詳細は未定)、今後の決定情報に留意しつつ、制度の施行前から、意識して体制の準備を始めておく必要があります

逆に一人経営の個人塾や家庭教師は、「日本版DBS制度」の対象外となるため、認定を受けることができません。塾長本人が唯一の教師である場合などには、「安全なところ」であることを示す他の方策が必要かもしれません。

また、認定業者は犯歴の有無を記した個人情報を扱うため、自塾のインターネット環境のセキュリティレベルを上げたり、教室内の環境を整備したりするためのコストも懸念されるところです。

しかし、個人情報の管理強化と、教室内のパーティションを低くしたり、防犯カメラの設置、管理といった整備は、従業員の自己防衛の観点からも今後必要となるでしょう

新制度の情報に注意して、冷静に必要な措置を講じていくことが大切です。

全国学習塾協会「学習塾に通う子どもの安全確保ガイドライン」

公益社団法人全国学習塾協会では、2006年3月に策定した「学習塾に通う子どもの安全確保ガイドライン」を、「日本版DBS制度」の施行を視野に、2024年4月に改訂しました。

改訂されたガイドラインには、学習塾が「安全なところ」であるために大切なことが示されています。

同ガイドラインから「日本版DBS制度」に関連する部分を抜粋しますので、制度が施行されるまでの間に、学習塾の「自己防衛」を意識して準備を進めていかれてはいかがでしょうか。

◆ 「学習塾に通う子どもの安全確保ガイドライン」要旨抜粋

1.安全を重視した学習環境の整備

 ② 学習塾内の施設・設備の安全確保

  ( i )教室内は、低い仕切りやガラス窓を使用する。監督・モニター上の死角をなくす。

    

  (ⅱ)  センサーや防犯カメラ等の監視システムも活用する代表者以外の者が操作することができないようにする

2.学習塾教職員の資質の向上

 ① 学習塾教職員の採用方法の適正化

   ( i )(学習塾教職員の倫理的行動について)採用以前に書面等で交付する。また、誓約書を提出させる。

 ② 子ども及び保護者に対する行動基準

  ・学習塾教職員は、子ども及び保護者との関係において、倫理的な行動に努めなければならない。

  (下記の事項を禁止する)

    ( i )  私用のスマートフォン等の写真及び動画撮影可能な電子機器を教室へ持ち込み

    (ⅱ)  子どもとの私的な連絡先(SNS アカウントも含む)の交換

    (ⅲ)  子ども及び保護者との性的接触・行為及び発言

    (ⅳ)  自己の個人的・宗教的・政治的理由のため、または個人的利益のために、教授関係を利用する

    (ⅴ)  性別を問わず、子どもに触れること(ボディータッチ) 

    (ⅵ)  密室内で1対1の状態になること

    (ⅶ)  正規の報酬以外に物品・金銭の授受

<誓約書参考例>

(出典:全国学習塾協会セミナー資料)

詳細については未確定なところも多い「日本版DBS制度」ですが、公益社団法人全国学習塾協会では、有識者会議など、制度の決定機関に現場の声を届けられるよう働きかけを強めるとともに、いち早く決定事項を学習塾に届けられるよう、情報発信にも取り組んでいらっしゃいます。

また、認定を自力で得ることができない個人塾の問題も含め、「日本版DBS制度」によらない安全認証制度についても、引き続き取り組んでいかれるとのことでした。

【講師紹介②】

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公益社団法人全国学習塾協会 事務局長 中村紘二郎氏

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▼公益社団法人全国学習塾協会

▼全国学習塾協会Facebook

▼全国学習塾協会「学習塾に通う子どもの安全確保ガイドライン」

まとめ

ここまで、「全国学習塾協会が登壇!~日本版DBS制度の今後と協会のガイドラインについて~」のセミナー内容について紹介いたしました。

今後の制度詳細に留意しつつ、教室の環境整備や講師の雇用について、見直す際に本セミナーの内容をお役立ていただけますと幸いです!

また、塾エイドでは学習塾経営の様々な困りごとをサポートするサービスを提供しています。ぜひ塾エイドのサービスもご活用ください!

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2024/7/16更新