2023年12月開催「~学習塾は今こそ多角化!『放課後等デイサービス編』~安定性の高い福祉事業で第二の柱を作る」セミナーレポート

2023年12月に塾エイドで実施しましたオンラインセミナー「~学習塾は今こそ多角化!『放課後等デイサービス編』~安定性の高い福祉事業で第二の柱を作る」の内容を紹介いたします。
講師は、合同会社CROP代表 畑中 章宏氏と、同じく合同会社CROPの植草 啓士郎氏です。
放課後等デイサービスとは?という基本的なことから、放課後等デイサービスが学習塾経営と親和性が高く、経営多角化の柱となる可能性があることに注目します!ぜひお読みください!
目次
放課後等デイサービスとは?
放課後等デイサービスは、2012年に施行された療育制度で、障害のある学齢期の子どもの健全な育成を図ることを目的とし、放課後のみでなく、土曜日や長期休暇中も提供される民間のサービスです。
具体的には、「児童福祉法」に基づいた「通所支援」を行う施設として、自治体の指定を受けた事業所が、国によって定められた人員や設備のルールにのっとり支援を行います。
(出典:セミナー資料)
◆ 放課後等デイサービスの対象
放課後等デイサービスは、幅広く困り感を持つ子どもへ支援できる制度です。
支援対象は、①障害のある児童であること、②原則6~18歳の就学児童であることで、親の就労の有無は問われません。
上記のうち、支援対象の条件①の「障害のある児童」には、障害手帳・療育手帳・精神障害者手帳を所持している場合の他、発達特性や不登校などの困りごとがある児童も、医師の診断書がある場合に、市区町村から受給者証を取得することによって対象として含まれます。
また、引き続き支援が必要と判断されれば、18歳を超えて20歳まで通所できる場合もあります。
◆ 放課後等デイサービス事業形態の種類
放課後等デイサービスの事業所の形態は、大きく分けて「預かり型」と「個別型」の二つに分類することができます。
<預かり型>
■長時間の居場所を提供する事業所
■学童保育のように自由に過ごす時間が多い
※多くの事業所は「預かり型」
※「預かり型」事業所でも時間の一部で個別療育を行うこともある
<個別型>
■各児童の特性に合わせて、ソーシャルスキルトレーニング(SST)など個別の指導を行う
■学習支援やダンス教室など、習い事のような事業所もある
※個別型のニーズが高まっており、事業所数も増加傾向にある
(出典:セミナー資料)
◆ 放課後等デイサービスの人員配置
「預かり型」「個別型」に関わらず、放課後等デイサービスは、1日あたりの定員10名に対し、3~5人の職員の配置と、働く人の要件や基準が明確に定められています。
■ 管理者:1名/常勤要件なし/資格要件なし
■ 児童発達支援管理責任者:1名/常勤要件あり/資格要件‐研修修了者
■ 児童指導員・保育士:2名以上/1名以上の常勤要件あり/以下いずれかの資格要件を満たすこと
・教諭免許(養護教諭除く)
・ST/PT/OT
・心理士(公認・臨床・臨床発達・認定)
・保育士
・社会福祉士
・精神保健福祉士
・児童福祉事業勤務2年以上かつ360日勤務
・4年生大学、大学院で社会福祉学、心理学、教育学もしくは社会学を専修する学科またはこれらに
相当する課程を修めて卒業した者
手厚い人員配置と、専門性の高い職員により、概ね6か月に1回以上、個別支援計画の見直しを行い、通所する一人ひとりに手厚い支援(PDCA)を行います。
(出典:セミナー資料)
障がい児支援拡大の背景
◆ 生産年齢人口の減少
少子化にともなう日本の生産年齢人口の減少は、大きな社会問題です。国内の生産年齢人口は、毎年80万人ほど減少しており、働き手を増やすことは国策です。
一方で、障がい者の就労には依然として高い壁があることも事実です。
そこで、障がい者の自立を促し、就労を支援することにより労働力確保に繋げるよう、支援が強化されてきています。
(出典:セミナー資料)
この障がい福祉制度全体の整備の流れに沿い、障がい児に対する福祉政策が法律・制度面からこの数年で整備されているのです。
放課後等デイサービスの利用費
放課後等デイサービスのサービス提供による収益は、利用ごとの固定料金として算出され、国・自治体の公金が90%、利用者負担が10%となっています。
利用者が支払うべき金額の上限は、世帯の収入に応じて変動します。また、上限額を超えた分の支払い額は、国・自治体の公金でその超過分が補填されます。
(出典:セミナー資料)
放課後等デイサービスの費用規模は、制度開始から急激に増加し、8年で7倍、約3,700億円規模となっています。
公金によって収入の90%が支えられているため、放課後等デイサービスの運営は手堅いものと言えます。
例えば、1日10名の利用者で22日営業した場合には、約265万円の売り上げが見込めます。
実際に運営されている畑中氏によると、1日あたり約7名、週2-3回の通所者が全体で25名ほどいれば、損益分岐点を超えるとのことでした。
(出典:セミナー資料)
学習塾が放課後等デイサービス運営を行う強み
全国的に少子化が進み、学習塾業界の需要は停滞しています。
一方で、発達障がいを含めて支援を必要とする児童数は増加しており、放課後等デイサービスの利用者数は、9年で7.8倍、放課後等デイサービス費用は8年で4.5倍に増加しています。
また、障がいサービス費用は9年で1.9倍の成長を遂げており、同じ福祉事業の介護事業と比較したサービス費用の伸びは、2012年を100とした場合、約1.3倍にもなります。
このことから、学習塾の多角化の一つとして、放課後等デイサービスは候補になりうるものと言えます。
(出典:セミナー資料)
ただし、学習塾と放課後等デイサービスの違いについては、理解しておくことが必要です。
学習塾は生徒の勉強について指導を行い、学力を向上させることにその存在意義があります。
一方で、放課後等デイサービスで行う学習は、生徒の困りごとに対する「支援」の一環であるという位置づけを忘れてはなりません。
進学や資格取得の積極的な支援は、生活スキルの向上や社会的交流という目的からはずれており、指定権者である自治体に障がい福祉サービスとして適切と認められないという考え方があります。
よって放課後等デイサービスでは、学習支援によってできることを増やし、自己肯定感を高め、社会的自立を目指すことが目的であることを明らかにし、保護者にもきちんと伝えることが大切です。
それでは学習塾が放課後等デイサービスを運営する強味はどこにあるのでしょうか。
ずばり、経験に裏打ちされた教材選択など、学習支援を中心としたサービスを提供できること、地域の高校の入試対策などに通じているため、具体的な進路相談が可能なことです。これらの点は、学習塾を母体にしていない放課後等デイサービス事業者には難しいことで、かつ、その両方に高いニーズがあるのです。
また、学習塾と放課後等デイサービスの間で生徒を相互に紹介できることもメリットと言えるでしょう。
放課後等デイサービスの開所にあたっては、人員配置のほか、場所や施設の要件もあり、準備期間として6か月程度はかかるそうです。
合同会社CROPではフランチャイズ事業も展開されているので、運営のノウハウについて依頼されるのも一つの方法かと思います。
【講師紹介】
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合同会社CROP 代表 畑中 章宏 氏
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大学在学中に起業し、その会社を14年間運営。一児の父。
地域密着型の学習塾をはじめ、教材開発、システム開発、飲食店経営などを行っている合同会社CROPを経営。2022年からは放課後等デイサービスのFCを展開開始。放課後等デイサービス事業は、制度ができた2年後の2014年から、学習塾から発展し「学習」を主軸にした療育支援を行ってきた。現在は子どもたちの将来の選択肢を増やし、社会的自立を支えるための支援を中心に活動している。
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合同会社CROP 植草 啓士郎 氏
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高齢者福祉、障害児福祉で現場経験と店舗の管理を経験した後独立し、障害者就労支援施設の経営を行う。介護支援専門員、相談支援専門員、児童発達管理責任者、保育士、公認心理師として福祉事業者からのコンサル依頼も受け児童福祉では児童発達と放課後等デイサービス、障害者福祉では生活介護、就労継続支援A型・B型等の施設運営支援や事業の立て直しを行った後、放課後等デイサービスのFC本部構築にも携わる。
まとめ
ここまで、学習塾多角化の一つとして、放課後等デイサービスについて紹介いたしました。また、塾エイドでは学習塾経営の様々な困りごとをサポートするサービスを提供しています。ぜひ塾エイドのサービスもご活用ください!
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2024/8/13更新


