なぜ学習塾の倒産は過去最多なのか? 経営環境を揺るがす3つの複合的要因

なぜ学習塾の倒産は過去最多なのか? 経営環境を揺るがす3つの複合的要因

こんにちは、塾エイドです!

2025年、学習塾業界にとって厳しいニュースが相次いでいます。
調査によれば、2024年度の学習塾の倒産件数は過去最多を更新しました。2020年代に入ってから右肩上がりで増加しており、2025年度も同様に過去最多を更新する勢いとなっています。特に小規模塾を中心に経営の行き詰まりが顕著となっています。

しかし、その背景にあるのは単一の原因ではありません。
少子化による市場縮小、物価・人件費の高騰、そして教育ニーズの変化。これら3つの要因が複雑に重なり合い、業界全体の構造を揺るがしています。

本記事では、最新のデータと専門家の見解をもとに、なぜいま学習塾の倒産が相次いでいるのかを整理し、自塾の今後を考えるためのヒントを探っていきます!

また、塾エイドでは11月21日(金)10:30~14:35に『未来を拓く塾エイドフォーラム2025 ~「これからの塾」をデザインする~』を開催いたします。

3部構成にて、各分野のプロフェッショナルにご登壇いただき、塾の”これから”についてお話しいただきます。(参加無料・途中入退室自由)今回取り上げた「学習環境」につきましても、事例をベースにお話しいただく予定です。
ぜひこちらも奮ってお申込みください!

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少子化が直撃。生徒獲得競争の過熱

経営環境の根底にある最大の問題は、やはり「少子化」です。
総務省統計局によると、2024年時点の15歳未満人口は過去最低の約1,383万人。ピーク時(1980年代)の約半数にまで減少しています。

この「子ども人口の減少」は、学習塾業界にとって市場の縮小そのものを意味します。
さらに、同じ生徒を奪い合う競争相手も増えています。大手塾チェーンだけでなく、オンライン家庭教師、映像授業アプリ、AI学習教材など、新興勢力が次々と登場しました。

もはや地域の生徒だけをターゲットにしていた従来の集客モデルは通用しなくなりつつあります。
特に地域密着型・個人運営の塾では、集客活動の遅れが経営リスクに直結する状況です。

物価・人件費の上昇。見えないコストが利益を圧迫

加えて深刻なのが、経営コストの上昇です。
倒産要因としては「採算悪化」「人件費負担の増大」も大きな要因となっていることが予想されます。

全国的な最低賃金の引き上げにより、講師の人件費はここ数年で大きく上昇しました。
これまで「学生講師で人件費を抑える」ことができていたモデルも、時給の上昇と人材不足が重なり崩壊しつつあります。

さらに、電気代・水道代などの光熱費の高騰、印刷コストや教材費の値上げも経営を直撃。
教室運営に必要な固定費が増える一方で、授業料を値上げしづらい構造が続いています。

つまり、多くの塾では売上を維持していても利益率が下がる。この「目に見えない赤字」が、経営をじわじわと追い詰めているのです。

入試改革が生んだ“新しいニーズ”に対応できない塾

外部環境だけでなく、教育現場そのものも大きく変化しています。
大学入試における総合型選抜(AO入試)・学校推薦型選抜の割合は、すでに全体の半数以上を占めている大学もあります。

これにより、保護者や生徒が塾に求めるものも変わりました。
「5教科の点数アップ」だけでなく、

  • 内申点の上げ方
  • 探究学習・課題研究のサポート
  • 面接・小論文・プレゼン対策

といった、“総合的な学習支援”への需要が高まっています。

しかし、こうした新しいニーズに対応できる体制を整えられていない塾が多いのも現実です。
従来のカリキュラムや教材では、「入試制度の変化」への適応が追いつかない
結果として、「今の入試に強い塾」「総合型選抜に対応している塾」へと生徒が流出するケースが増えています。

保護者の価値観変化と“通わせる理由”の希薄化

もう一つ見逃せないのが、保護者の意識変化です。
コロナ禍を経て、オンライン学習が一般化したことで、「塾に通わなくても学べる」という選択肢が現実的になりました。

また、家庭の教育費負担が増える中、保護者の塾選びも「価格」「距離」「口コミ」といった現実的な要素重視へとシフト。
一方で、「うちの子にはこの塾が合っている」と感じられる“体験価値”を提供できない塾は、選ばれにくくなっています。

つまり、「塾に行くのが当たり前」という時代はすでに終わり、
“なぜその塾を選ぶのか”を明確に示せる塾だけが生き残る時代に突入しているのです。

まとめ:生き残る塾は「価値の再定義」をしている

ここまで見てきたように、塾業界を取り巻く危機は

  • 少子化による市場縮小
  • 物価・人件費の高騰
  • 教育ニーズの多様化
  • 保護者の価値観変化

という複合的な要因によって起こっています。

しかし、これは「淘汰」ではなく「再定義のチャンス」でもあります。
成功している塾は、AI教材や個別最適化ツールを活用しつつ、“地域でどんな価値を提供するか”を明確に打ち出しているのです。

教育内容だけでなく、教室の環境・講師の育成・保護者との信頼づくりまで。
塾経営とは、地域の教育インフラを担う“総合事業”へと変化しています。

今こそ「自塾の存在意義は何か」「誰のための塾なのか」を見直すタイミングです。
今一度、自塾の在り方を見直してみてはいかがでしょうか。

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2025/11/11更新