その進路指導、ズレていませんか? データで見る、保護者と生徒の「志望校選び」の大きなギャップ

その進路指導、ズレていませんか? データで見る、保護者と生徒の「志望校選び」の大きなギャップ

進路指導の三者面談では、生徒の夢や希望、保護者の期待や不安、先生のアドバイスが交差します。

しかし「丁寧に説明してもかみ合わない」「生徒と保護者の視点が食い違う」といった場面も少なくありません。これは誰かが間違っているのではなく、重視する価値観が異なるからです。生徒は「興味や関心」「キャンパスの雰囲気」を重視し、保護者は「就職実績」「学費」「通学の利便性」といった現実的な要素を重視します。

こうしたズレを放置すれば、進路指導は妥協に終わりかねませんが、両者の違いを理解し橋渡しすることで、信頼関係を深める機会に変えられます。

本記事では、データをもとに生徒と保護者の考え方の違いを整理し、効果的なギャップの埋め方を解説していきます!

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データで見る、生徒と保護者の決定的な違い

志望校を検討する際にチェックすべき点として最も多く挙げられたのは「学べる内容」で、75.2%に達しました。次いで「学校の立地・周辺環境」(71.4%)が続き、これらは「偏差値」(53.5%)を大きく上回る結果となっています。このことから、多くの生徒が偏差値以上に「何を学べるか」という教育の中身を重視していることがうかがえます。

(2022卒・就活経験者にきいた「大学進学に関する調査」より)

一方で、明光義塾が実施した保護者調査では、「志望校選びで重視する点」として、保護者は「学費(30.3%)」「卒業後の進路(27.3%)」「通学の利便性(20.1%)」といった経済的・現実的な要素を優先する傾向が強いことが浮き彫りになっています。実際に、保護者の34.2%が「子どもの志望校と自分の希望にギャップがある」と回答し、さらに約2割が「進学に関する情報が不足しており有益なアドバイスができない」と感じているというデータもあります。

(志望校選び、子と親で“温度差” 子ども「設置学部」、保護者「学費」 明光義塾調べ「高校生の志望校選びに関する実態調査」より)

つまり、生徒は「興味ある学部・学科」や「学校の雰囲気」といった自己実現に直結する部分を重視するのに対し、保護者は「費用」「就職」「安全性」など将来の安心につながる条件を重視する構図です。この価値観の違いと情報格差こそが、三者面談などで進路指導におけるすれ違いを生む最大の要因と言えるでしょう。

実践例:「情報学部」をどう伝えるか

では、どうすればギャップを埋められるのでしょうか。例として、多くの高校生が関心を持つ一方で、保護者には馴染みの薄い「情報学部」の説明方法を考えてみましょう。

1. 学問領域の広さを伝える
情報学は単なるプログラミングではありません。社会情報学やメディア系の文系寄り分野から、AI・データサイエンス、サイバーセキュリティなど最先端の理系分野まで幅広い学びが存在します。

2. 将来の仕事を具体的にイメージさせる
「ゲーム制作」「金融業界でのデータ分析」「自動運転技術の開発」「公務員としてデジタル庁に勤務」など、多様なキャリアに繋がることを示すと、生徒の興味を引きつけながら保護者の不安を和らげられます。

3. 「学ぶ」から「創る」へ視点を移す
「プログラミングを学ぶ」ではなく、「高齢者を支えるAIロボットを開発する」「災害時に役立つアプリを作る」など、社会課題の解決や未来を創造する学びであることを強調すると、学問の価値がぐっと伝わります。

(情報学部 | 国立大学法人群馬大学より)

次の一歩へ:生徒の未来を最大化する進路指導

生徒と保護者のズレは対立ではなく、互いを思う気持ちの現れです。その溝を埋めるために、先生方に求められるのは次の三つの視点です。

  1. 共通理解の場を設ける
     三者面談だけでなく、保護者向けガイダンスで最新の入試制度や新学部の情報を共有し、不安を減らすことが重要です。
  2. 教師が「翻訳者」になる
     生徒の希望と保護者の現実的視点をつなぐ存在こそ教師です。新しい学問の意義や就職との関連を、双方に分かりやすい言葉で伝える役割が求められます。
  3. 対話の質を高める
     親子でオープンキャンパスに参加したり、卒業生やその保護者の体験談を聞く機会を作ったりすることで、納得感のある進路選択につながります。

進路指導のゴールは「合格」ではなく、生徒が自ら選んだ進路に納得し、保護者が安心して応援できる関係を築くことです。データが示すギャップを理解し、丁寧な対話を重ねることこそが、これからの進路指導に求められる最も大切な姿勢だと言えるでしょう。

まとめ

進路指導のゴールは「合格」ではなく、生徒が納得できる進路を自ら選び、保護者が安心して応援できる関係を築くことです。データが示す生徒と保護者のギャップは、互いを思う気持ちの裏返しでもあります。

だからこそ講師は、双方の思いをつなぐ「翻訳者」「調整役」として、情報を正しく伝え、対話を促す存在である必要があります。進路指導の現場で、先生が少し意識を変えるだけで、三者の対話はもっと実りあるものになりますよ!

また、“誤解のない説明”から“納得を生む進路指導”へとステップアップに向けて、塾エイドでは2025年10月10日(金)、14日(火)に、「思い込みやカタログ知識から脱却する進路指導」セミナーを開催予定です!

進路指導は、単なる情報提供ではなく、生徒や保護者との信頼関係を深める大切な機会です。

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▼登壇者

株式会社NASEVA 代表取締役 

塾エイド特別パートナー 野田亮太氏

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1994年  信州大学農学部森林科学科入学

1996年  大学在学中に有限会社T・G・Nagano設立 代表取締役 

     学習教材の制作、販売。

2004年  予備校講師として講義をする傍ら、国公立大学専門進学塾岡山進學舎設立 

開塾から一年で在籍生徒数130名、講師数10名の規模に育てる。

2010年  有限会社RGB sulliVan出講 学校内予備校校舎責任者、教員研修、講演、

数学講師。

2016年  株式会社学びエイド上級コンサルタント、大学進学アドバイザー、講演

2021年  Naseva進学予備校開校

2023年  株式会社Naseva設立 代表取締役

2024年 塾エイド特別パートナー就任

  

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2025/9/23更新