第1回 2022年5月開催 グレーゾーンのお子さん対応セミナーレポート

第1回 2022年5月開催 グレーゾーンのお子さん対応セミナーレポート

みなさんこんにちは!塾エイド事務局です。

今回から2回にわたり2022年5月に開催された塾エイドセミナー「グレーゾーンのお子さん対応」についてレポートしていきます。

発達障害と学習障害の違いなどの基本的なことから、プロの指導方法等の実践的内容までお伝えしていきます。是非この機会に知識を整理していただけたらと思います!

目次

  1. 第一部 ~児童発達及び学習障害のプロに学ぶ~グレーゾーンのお子様対応講師:T・N・KLLC 和久 藝人 氏 ①低学力の子の特徴 ②そもそも発達障害って何? ③客観的な診断 ④ディスレクシアの見え方の一例 ⑤個性を活かす時代の到来 ⑥発達障害からの派生 ⑦塾の先生向け保護者対応
  2. おわりに

1.第一部 ~児童発達及び学習障害のプロに学ぶ~グレーゾーンのお子様対応

①低学力の子の特徴

 低学力のお子さんはもちろん個人差はありますが以下のような特徴を持ち合わせている子が多いです。

・語彙力が極端に低い 例)花の構成は花、葉、根とあと一つは?という質問に答えられない

・知っている語と同義語をなかなか理解できない 例)チョコとチョコレートが同じということが理解できない

・感覚が育っていない 例)1m=100cm、では165cmは何m?という質問に答えられない

• いつも否定されているので、自己肯定感が低い

• 手先が不器用(巧緻性が低い) ※極端に器用な子もいる

• 自分のやり方にこだわり、言うことを聞かない 意外と頑固

• 理解よりも、反復での習得でなんとかしようとする

• 切り替えができない(ずっと別のことを考えている)

こうした特徴を持つ一方でO2(酸素)のOって何?という質問をするとOxygenでしょ?という回答が返ってくるのでとても驚きます。

このように、発達障害のお子さんは他のお子さんと少し違う部分がありますが、この違いをしっかりと伸ばしていくことが必要です。

低学力=発達障害とは一概には言えませんが、関連性があることが多いです。今後教育に携わる際にはこのあたりの理解はとても重要です。文科省も全教員が特別支援学級の担任等を2年以上経験した方がいいと謳っており、国として対策を考えるようになっています。

②そもそも発達障害って何?

発達障害は知的障害とは少し違います。発達障害には大きく分けて三つ、自閉症スペクトラム障害、ADHD(注意欠如・多動性障害)・学習障害があります。

簡単に説明をすると自閉症スペクトラム障害の子供は自分の世界を閉じてしまっているという特徴があります。一方でADHDの子供は自分の世界を開きすぎてしまっているという印象です。学習障害の子供は、単純に知能が低かったり全てができなかったりするのではなく、特定のことができないという特徴があります。例えば、他のことはできるけど文字だけが読めない、計算ができない等です。

また高機能自閉症というものもあります。高機能自閉症とは、3歳くらいまでに現れ、

(1)他人との社会的関係の形成の困難さ

(2)言葉の発達の遅れ

(3)興味や関心が狭く特定のものにこだわる

を特徴とする行動の障害である自閉症のうち、知的発達の遅れを 伴わないものをいいます。 これは中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定されています。

こうした発達障害は明確な線引きが大変難しいです。しかし客観性を持って測ることも可能です。

③客観的な診断

  • WICS

客観的な診断の方法として【WISC】(ウィスク:Wechsler Intelligence Scale for Children)という診断結果を保護者の方が塾に持ってくることがあります。WICSに関しては後ほど第二部で詳しく解説します。

もちろん診断で測ることも大切ですが、何よりも1人1人理解してあげようとする周りの人のこころが大事です。

  • IQ(知能指数)

もう一つの客観的な指標としてIQがあります。

 IQは100が中央値であり、 70を切ると、軽度の知的障害と判定されます。(発生率2%程度)70~75は、医師や専門家の主観的な判断としての医療的な意味でのグレーゾーンです。 

塾や日常会話でグレーゾーンと言われるのが、85以下(下位15%程度)の子が多いです。

学習塾は一般的に偏差値を上げる機能をになっていますが、ただ偏差値をあげることを考えるのではなく、グレーゾーンのお子様個々人の将来の夢などをしっかりと把握したうえで、その子にあった指導や目標設定をしてあげることが非常に重要となってきます。

グレーゾーンのお子様の保護者の方には偏差値を上げることを目指し、高い目標を設定したがる方もいらっしゃいますが、あえてそこを目指させないという選択も大切です。

④ディスレクシアの見え方の一例

ディスレクシアのお子様はこのように見えているそうです。

私たちにとって重要なのはディスレクシアのお子様がこのように見えているということを理解してあげることです。こうしたディスレクシアもトレーニングによって改善することがあります。したがって障害だからと匙を投げるのではなく、トレーニングを適切に行っていくことが重要です。それでもどうにもならない場合には無理に塾で解決しようとせず専門家に任せることも必要です。

塾としてディスレクシアの生徒を受け入れる場合には塾内でできることを行い保護者の方の理解を得ることが重要でしょう。

⑤個性を活かす時代の到来

発達障害は「理解と支援を必要とする個性」です。 発達障害(アスペルガーなど)で大成した人は学者やアスリート、芸能人など「一芸に秀でた人」が多く「自分に向いていることであれば高い集中力で没頭できる」ことが強みです。この話をすると誤解をしてしまう方もいらっしゃるのですが、発達障害 = 優秀ということではありません。その辺りの間違った誤解は、保護者や関係者を傷つけてしまうことになりますので注意が必要です。

⑥発達障害からの派生

発達障害のお子さんはその派生として、 不登校や ひきこもり、 依存症を起こしてしまうケースも少なくありません。原因として、 関係性構築の難しさから、人よりも多くの困難を受けることになるということが考えられます。こういったことも十分に理解してあげることが必要です。

⑦塾の先生向け保護者対応

お互いのWIN-WINのためにも自分の塾がどのような立場であるかをはっきりさせることが重要です。発達障害のお子さんを持つ保護者の方には 過度な不安を持っているかたも多いです。

まずは改善策を明確に示し、個性を活かす時代であることを伝え、理解を促し、可能性を広げることが大切です。そして何より、断定せずに、謙虚に接する必要があるでしょう。非常に奥が深く、絶え間ない学習が必要な領域です。常に情報をアップデートし続ける必要があります。

2.おわりに

 いかがでしたでしょうか?グレーゾーンのお子様の対応方法についての理解が深まりましたでしょうか?次回は第二部 LD・ADHDについての補足的な説明についてレポートをしていきます。次回の記事も必見です!

塾エイドでは今回のセミナーのアーカイブ配信を行っております。

今回のセミナーについての質問等ございましたら、塾エイドまでお問い合わせください。 

2022/6/8更新