塾講師も知っておきたい、新学習指導要領で各教科の評価はどう変わる? 

塾講師も知っておきたい、新学習指導要領で各教科の評価はどう変わる? 

皆さんこんにちは!塾エイド事務局です。

中学校では21年度から、高校では22年度から全面実施となった学習指導要領の改定となり、「新しい学習評価の観点」が学校で取り入れられているのはご存知でしょうか?

塾の運営にあたり、学校での学習評価がどのように変化したのかは、しっかり把握しておきたいところですよね。

本記事では、評価の観点がどう再整理され、学校での評価がどう変わっていくのかをご紹介いたします

【目次】

  1. 新学指導要領で目指す、子どもたちの姿とは学習指導要領とは新学指導要領での、学校教育を通じて育成を目指す「3つの柱」とは
  2. 塾講師必見!各教科の学習評価はどう変わる?3つの柱①「知識及び技能」における評価観点3つの柱②「思考力、判断力、表現力等」における評価観点3つの柱③「学びに向かう力、人間性等」における評価観点
  3. 観点別・各教科の学習評価ポイント「知識・技能」の評価ポイント「思考・判断・表現」の評価ポイント「主体的に学習に取り組む態度」の評価ポイント
  4. まとめ

1. 新学指導要領で目指す、子どもたちの姿とは

1.1 学習指導要領とは

まずは学習指導要領について簡単におさらいしておきましょう。

「学習指導要領」とは、全国どこの学校でも一定の水準が保てるよう、文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準のことです。

情報化・グローバル化、AIの飛躍的進化など、急激に変化する現代社会では、必要とされる資質・能力も常に変化をしています。そこで、学びのコンパスとなる学習指導要領の改訂が、およそ10年ごとに行われています。

今回の改定では、「社会に開かれた教育課程」の実現をすべく、幼稚園は2018年、小学生は2020年度、中学校は2021年度からと既に実施されており、高等学校では、2022年度に入学した生徒から随時実施しています。

1.2 新学指導要領での、学校教育を通じて育成を目指す「3つの柱」とは

https://www.mext.go.jp/content/20201023mxtsigakugy142053800002_004.pdf

今回の新学習指導要領の改訂では、学校教育を通じて育成を目指す資質・能力が明確化されました。「何を教えるか」ではなく、「何ができるようになるか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」という観点が重要視されるようになっています。

その中でも、「何ができるようになるか」という部分では、以下の3つの資質・能力を育成を目指すことに。

①知能及び技能

②思考力、判断力、表現力等

③学びに向かう力、人間力等

この「3つの柱」に基づき、全ての教科等を再整理し、授業の創意工夫や教科書等の教材の改善を目指すこととなりました。

この3つの観点は、現在のスピードの早い社会の変化を見据えて掲げられたものですが、学校教育法第30条第2項が定めるいわゆる学力の3要素を、児童の視点に立ち、育成をめざす資質・能力の三つの柱として再整理されているものでもあり、以前から示されていた方向性で、カリキュラムがより具体化していくことになったとも言えます。

【参考】学校教育法第30条第2項

生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない。 

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC000000002)

こうした「3つの柱」に基づいた観点から評価を行うことを「3観点評価」と言い、今後学校では、3観点評価によって学習評価が行われることとなります

2. 塾講師必見!各教科の学習評価はどう変わる?

ここからは「3つの柱」に基づいて、各教科の学習評価がどう変わったのかについて、それぞれの観点をひとつずつ取り上げて紹介していきます。

今回の改訂では、学習指導要領の目標や内容も「3つの柱」に基づいて、再整理が行われました。

https://www.nits.go.jp/materials/youryou/files/034_001.pdf)

そしてそれを踏まえて、観点別学習状況の評価の観点については、小・中・高等学校の各教科等を通じて、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に整理されています。

https://www.nits.go.jp/materials/youryou/files/078_001.pdf)

また、この3つの観点はそれぞれ独立しているものではなく、相関関係にあるということを抑えておきましょう。

2.1 3つの柱①「知識及び技能」における評価観点

1本目の柱である「知識及び技能」の観点から評価される項目は、「知識・技能」です。

◎「知識・技能」の評価

・個別の知識及び技能の習得状況について評価する。

・それらを既有の知識及び技能と関連付けたり活用したりする中で、概念等として理解したり、技能を習得したりしているかについて評価する。

(引用:https://www.mext.go.jp/content/20201023mxtsigakugy142053800002_004.pdf

「知識・技能」では、何を理解して、何ができるか、が重要とされています。

どの教科においても、学習する知識のその特質を理解して適切に使うことができることが求められています。

こちらは評定に含まれます。

2.2 3つの柱②「思考力、判断力、表現力等」における評価観点

2本目の柱「思考力、判断力、表現力等」の観点から評価される項目は、「思考・判断・表現」です。

◎「思考・判断・表現」の評価

・各教科等の知識及び技能を活用して課題を解決する等のために必要な思考力、判断力、表現力等を身に付けているかどうかを評価する。

https://www.mext.go.jp/content/20201023mxtsigakugy142053800002_004.pdf

「思考・判断・表現」では、理解していること・できることをどう使うか、が重要とされています。

授業を通して、今まで培ってきた知識・技能を活用しながら思考・想像し、それを表現する力を習得することが求められています。

こちらも評定に含まれます。

2.3 3つの柱③「学びに向かう力・人間性等」における評価観点

3本目の柱である「学びに向かう力・人間性等」の観点は「主体的に学習に取り組む態度」と「感性・思いやりなど」の2つの評価項目に分かれます。

・「学びに向かう力、人間性等」には、㋐主体的に学習に取り組む態度として観点別学習状況の評価を通じて見取ることができる部分と、㋑観点別学習状況の評価や評定にはなじまない部分がある。

https://www.mext.go.jp/content/20201023mxtsigakugy142053800002_004.pdf

https://www.mext.go.jp/content/20201023mxtsigakugy142053800002_004.pdf

「主体的に学習に取り組む態度」と「感性・思いやりなど」の2つのの観点は、どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るかが重要とされていますが、引用した文章にもある通り、学習評価としてはなじまないところがあります。

そのため、評価基準もそれぞれ分かれています。

◎「主体的に学習に取り組む態度」の評価

・「主体的に学習に取り組む態度」については、①知識及び技能を獲得したり、思考力、判断力、表現力等を身に付けたりすることに向けた粘り強い取組の中で、②自らの学習を調整しようとしているかどうかを含めて評価する。

https://www.mext.go.jp/content/20201023mxtsigakugy142053800002_004.pdf

「主体的に学習に取り組む態度」では、知識及び技能を獲得したり、思考力、判断力、表現力等を身に付けたりするために粘り強く取り組む中で、自らの学習を調整しながら学ぼうとしているかという意志的な側面を評価するものとなっています。

したがって、こちらは評定に含まれています。

◎「感性・思いやりなど」の評価・個人内評価(児童生徒一人一人のよい点や可能性、進歩の状況について評価するもの)等を通じて見取る。

https://www.mext.go.jp/content/20201023mxtsigakugy142053800002_004.pdf

「感性・思いやりなど」は、児童生徒それぞれの良い点や将来の可能性、進歩の状況などを 積極的に評価するものです。

こちらは学習評価に合わないものであるため、評定ではなく個人的評価という評価基準が用いられます。

「学びに向かう力・人間性等」には、観点別評価を通じて見取ることができる部分と、個人的評価を通じて見取る部分の2つに分かれている、ということを理解しておく必要があるでしょう。

3.観点別・各教科の学習評価ポイント

さて、ここからは3観点評価の具体的な評価ポイントについて、紹介していきます。

3.1 「知識・技能」の評価ポイント

・ペーパーテストにおいて、事実的な知識の習得を問う問題と、知識の概念的な理解を問う問題とのバランスがに配慮される

・児童生徒が文章による説明をする場面が設けられる

・各教科等の内容の特質に応じて、観察・実験をしたり、式やグラフで表現したりするなど実際に知識や技能を用いる場面を設けられる

https://www.nier.go.jp/kaihatsu/pdf/gakushuhyouka_R010613-01.pdf

ペーパーテストで問われるのは、暗記で解けるもの以外に、「なぜ?どうして?」の理解が必要な問題も、バランスよく出題されるようになっていきます。

3.2 「思考 ・判断・ 表現」の評価ポイント

・ペーパーテストのみならず、論述やレポー卜の作成、発表、グループや学級における話合い、作品の制作や表現等の多様な活動が取り入れられる

・制作した作品やレポート等を集めたポートフォリオが活用される

https://www.nier.go.jp/kaihatsu/pdf/gakushuhyouka_R010613-01.pdf

学校では既に取り組まれている学習方法ではありますが、評価の際は各活動の成果のみではなく、過程も含めた全体を思考力・判断力・表現力の観点から評価します。

3.3 「主体的に学習に取り組む態度」の評価ポイント

・ノートやレポート等における記述、授業中の発言が、評価を行う際に考慮する材料の一つとして用いられる

・教師による行動観察や、児童生徒による自己評価や相互評価等の状況が、評価を行う際に考慮する材料の一つとして用いられる

https://www.nier.go.jp/kaihatsu/pdf/gakushuhyouka_R010613-01.pdf

態度の評価については、教師の主観が出やすいところがあります。提出物の提出状況や授業中の発言回数など形式的なものだけではなく、学習に対する積極性が判断できるような生徒の意思や態度が評価の中心となります。

4.まとめ

今回は、新学習指導要領に基づく新たな観点評価についてまとめました。

評価観点の変化を踏まえた学習指導について、考え直すきっかけになれば幸いです。

塾エイドでは役に立つ情報を随時更新していますので、ぜひ他の記事もご覧ください!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2022/12/14更新