【個人塾経営者の節税対策②】青色申告、二重の所得控除など、個人事業主の節税方法7選を徹底解説

【個人塾経営者の節税対策②】青色申告、二重の所得控除など、個人事業主の節税方法7選を徹底解説

みなさんこんにちは!塾エイド事務局です。

塾エイドでは、個人塾の経営者に向けての具体的な節税対策7選を3つの記事で公開中。

前回の第1弾では、「【個人塾経営者の節税対策①】個人事業主が納める税金の種類と計算方法」をお伝えしました。

いよいよ今回からは、下記7つの具体的な節税方法を見ていきます。

  1. 青色申告での確定申告
  2. 事業所得と給与所得の併用
  3. 小規模企業共済
  4. 確定拠出年金
  5. 生命保険料控除・地震保険料控除
  6. ふるさと納税
  7. 医療費控除

第2弾でご紹介するのは、①青色申告での確定申告、②事業所得と給与所得の併用、③小規模企業共済 の3つ。

ぜひ最後までご覧ください。

対策①個人塾経営者の確定申告に青色申告は必須!

青色申告とは?

青色申告は、所得や税金を正しく計算するために行う確定申告の制度です。

正規の簿記の原則に従って取引を記録し、決められた帳簿書類を保存しなければなりません。

手間がかかりますが、その分青色申告をすると節税メリットがあります。

青色申告の節税メリットをいくつか挙げてみます。

  • 最大65万円の青色申告特別控除を受けられる
  • 家族への給与を必要経費にできる
  • 赤字を3年間繰り越せる

青色申告特別控除は「実際にお金が出ていなくても所得が減らせる」のが最大のメリットです。

青色申告特別控除には10万円、55万円、65万円があります。

条件は下記のとおりです。

控除額条件
10万円単式簿記で記帳する
55万円複式簿記で記帳する
65万円複式簿記で記帳し、かつ電子申告を行う

複式簿記での記帳は、経理の知識がないと難しく感じてしまうかもしれません。

しかし、近年は初心者にも使いやすい青色申告のソフトが登場しており、複式簿記が分からなくても帳簿がつけられるようになってきました。

例えば、マネーフォワードfreeeなどがあり、値段も税理士に依頼するより安く済みます。節税のために、使いやすい青色申告ソフトを探して、青色申告に挑戦してみましょう。

必要な届出と提出期限は?

青色申告で確定申告を行うためには、適用させたい年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。

確定申告の期限と同じなので、確定申告書と一緒に忘れずに提出しましょう。

また、青色申告承認申請書には開業日を記載する欄があります。

個人塾を始めるときに開業届を提出していない人は、この機会に出しておきましょう。

どのくらい節税できる?

例えば、課税所得300万円の個人塾経営者が複式簿記で記帳して電子申告を行った場合、

 所得税 65,000円
 住民税 65,000円
 合計  130,000円

の節税になり、以下のように計算されます。

 所得税 650,000円(青色申告特別控除額) × 10%(速算表より)
 住民税 650,000円(青色申告特別控除額) × 10%

残念ながら、青色申告特別控除は個人事業税には適用できませんが、所得税と住民税だけでもかなりの節税ですね。

以上のように、青色申告特別控除額に税率をかければ、節税できる税金が計算できます。

注意点は?

青色申告を行う際の注意点は、日々の取引を決められた方法で記録しなければならない点です。

より大きい額の控除を受けるには、複式簿記という方法で帳簿をつけることが必須です。

また、その取引のもととなった書類等を一定期間保存する必要があります。

保存対象書類と保存期間は以下のようになっています。

保存が必要なもの保存期間
帳簿仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など7年
書類決算関係書類損益計算書、貸借対照表、棚卸表など7年
現金預金取引等関係書類領収証、小切手控、預金通帳、借用証など7年(※)
その他の書類取引に関して作成し、又は受領した上記以外の書類(請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など)5年

※前々年分所得が300万円以下の方は、5年
出典:国税庁

さらに、青色申告承認申請書を提出し忘れて青色申告で申告してしまうと、後日税務署から指摘がきて、延滞税を払うことになりかねません。

帳簿のつけ方、書類の保存期間、申請の届け出忘れにはくれぐれも注意しましょう。

対策②個人塾経営の事業所得と給与所得の併用で二重の所得控除を受ける 

事業所得と給与所得を併用する方法は?

こちらは例えば、個人で塾経営をしており(事業所得) 、さらに 他会社で社員として塾講師をやっている(給与所得)など、2箇所以上からの収入源がある方が活用できる方法です。

個人塾経営者として収入を得ながら別の事業所から給与をもらうと、事業所得と給与所得を併用することができます。

事業所得と給与所得を併用するメリットは、両者の所得控除を同時に受けられる点です。

事業所得の所得控除としては、上記で青色申告特別控除を紹介しました。

給与所得にも給与所得控除というものがあり、最低でも55万円の控除を受けられます。

年間55万円以下の給与収入であれば、所得税がかからずに済むのです。

給与所得控除額は以下のように決められています。

給与所得控除額給与所得控除額
1,625,000円まで550,000円
1,625,001円から1,800,000円まで収入金額×40%-100,000円
1,800,001円から3,600,000円まで収入金額×30%+80,000円
3,600,001円から6,600,000円まで収入金額×20%+440,000円
6,600,001円から8,500,000円まで収入金額×10%+1,100,000円
8,500,001円以上1,950,000円(上限)

出典:国税庁

どのくらい節税できる?

例えば、課税所得が300万円で、そのうち給与所得が1,625,000円以内なら、

所得税 55,000円
住民税 55,000円
合計  11,000円

の節税になります。

計算式は以下の通りです。

所得税 550,000円(給与所得控除額) × 10%(速算表より)
住民税 550,000円(給与所得控除額) × 10%

青色申告のときと同じく、給与所得控除額に税率をかけて計算します。

注意点は?

事業所得と給与所得を併用する際にも、決められた方法で記帳を行い帳簿書類を一定期間保存をすることが重要です。

記帳と書類の保存ができていなくて事業収入が300万円以下の場合、個人塾の収入が雑所得とみなされます。

雑所得となってしまうと、青色申告ができなくなるため、節税にとって大きなマイナスになりやすいです。

記帳と書類の保存をすることで、事業性が認められ個人塾の収入が芳しくなくなっても事業所得として継続することができます。

記帳と帳簿書類の保存はしておく必要がありますね。

対策③個人塾経営者なら小規模企業共済に加入

小規模企業共済とは?

小規模企業共済とは、個人事業主が事業をやめた場合のためにあらかじめ資金を積み立てておく制度です。

個人塾経営者の退職金制度といえるでしょう。

共済金を受け取るときは、掛金を納付した期間に応じて最大120%の共済金が戻ってきます。

常時使用する従業員が5人以下の場合に加入することができ、月々の掛金は1,000円から70,000円までの間で500円単位で自由に決められます。

一度掛金の金額を決めてしまっても、あとで変更できるためご安心ください。

ただし、掛金の減額には一定の要件が必要です。

掛金は、全額が小規模企業共済等掛金控除として、所得控除の対象です。

つまり、掛金の金額分課税所得が少なくなり、節税になります。

受け取り時にも税金が安くなる?

小規模企業共済は、受け取り時にも節税ができます

共済金は一括受け取りか分割受け取りかを選べます。

一括受け取りなら退職所得扱い、分割受け取りなら公的年金等の雑所得扱いとなり、それぞれ控除の節税メリットがあります

特に退職所得の控除は大きく、以下のようになります。

勤続年数退職所得控除額
20年以下40万円 × 勤続年数(最低80万円)
20年超800万円 + 70万円 × (勤続年数 - 20年)

条件により、一括受け取りと分割受け取りの併用もできるので、受け取る金額によって受け取り方を検討してみてもいいですね。

加入方法は?

小規模企業共済は、商工会や商工会議所、金融機関等で加入の手続きが行えます。

加入には申込書のほか、預金口座振替申出書と税務署の受付印のある確定申告書の控えが必要です。

申込書と預金口座振替申出書は取り扱い機関に準備してあるので、引き落とし口座が分かるものと銀行印、確定申告書の控えをもって手続きに行きましょう。

どのくらい節税できる?

小規模企業共済の掛金を支払う際の節税額は、以下の表のとおりです。

出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構

注意点は?

最大の注意点は、掛金の払い込み月数が240ヶ月未満で任意解約をすると、共済金が元本割れしてしまう点です。

また、掛金の払い込み月数が6ヶ月未満の場合、共済金が全く受け取れなくなってしまいます。

個人事業を法人化した結果加入資格がなくなった場合や任意解約の場合も、掛金の払い込み月数が12ヶ月未満だと共済金は受け取れません。

上記のような状況になってしまうと、節税効果よりも払い込んだ掛金の損失の方が大きくなってしまうので、掛金が払い続けられるかどうかは考えておく必要があります。

個人塾が大きくなりすぎて従業員が5人を超えてしまうと加入資格がなくなってしまうため、注意が必要です。

加入後に従業員数が増えた場合は加入が継続できるため、小規模共済を検討している方は早い段階での加入がおすすめです。

まとめ

個人塾を経営していると、サラリーマンにはない税金を払うこともありますが、節税対策の選択肢も多いことが分かりますね。

個人事業主として節税するためには、決められた方法で記帳して決められた期間書類を保存をしておくことが重要になってきます。

手間はかかりますが、その分節税効果も大きくなるので、帳簿をつけるクセをつけておきましょう。

次回の第3段も、引き続き個人塾経営者の節税に役立つ方法を紹介していきます。

個人塾の経営者に向け節税対策7選シリーズ
第1弾:【個人塾経営者の節税対策①】個人事業主が納める税金の種類と計算方法

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2023/3/17更新