学習塾が今すべきインボイス制度対策【後編】課税・免税事業者が対応すべきこと

学習塾が今すべきインボイス制度対策【後編】課税・免税事業者が対応すべきこと

8月に塾エイドで実施しましたオンラインセミナー「学習塾が今すべきインボイス制度対策」の内容を2回にわたってご紹介いたします。前編ではインボイス制度の概要と消費税のしくみについてご紹介いたしましたが、後編の今回は具体的に課税事業者・免税事業者がとるべき対応についてご紹介いたします。

免税事業者が行う対応

免税事業者の場合は、第1回でご紹介したようにインボイス制度開始により売上の減少が考えられますので、インボイス制度開始に伴い「課税事業者になるのか、免税事業者のままでいるのか」を決める必要があります。

この検討の判断材料となるのが、「誰からお金をもらっているか」です。保護者などの顧客(一般消費者)から支払いを受けているのか、to Bビジネスのように事業者から支払いを受けているのかということです。

相手が一般消費者の場合

支払いを受ける相手が一般消費者の学習塾の場合は、今まで授業料として4,000円、消費税として400円の支払いを受けていたところを、消費税を受け取れなくなりますので、その分授業料を10%値上げした4,400円とすることで免税事業者のままでも売上減少を回避することが出来ます。

相手が事業者の場合

支払いを受ける相手が事業者の場合でも、一般消費者の場合と同様に、支払金額を10%増加して問題ないとする事業者であれば免税事業者から変更する必要はありません。

しかし実際には、上記図のように支払元の事業者は免税事業者と取引をするよりも、課税事業者と取引をする方が納める消費税を抑えることが出来るため、事業者にとってはお得になります。例では免税事業者には消費税支払いがありませんので、顧客から受領した600円の消費税をそのまま国に納める必要がありますが、課税事業者と取引をした場合は、課税事業者に400円の消費税支払いが発生しますので、差し引き200円の消費税を国に納めれば良いのです。

そのため支払元の事業者が売上増額を認めない場合には、課税事業者に転換した方がメリットが大きい可能性があります。なぜなら今回のインボイス制度開始に伴い課税事業者に転換した場合、2割特例という3年間の特例が適用され、国に納める消費税を売上税額の2割にすることが出来るからです。今回の例では、売上を4,400円と出来ない場合、売上を4,000円齢とし、400円の消費税を徴収しても、国に納める消費税は2割の80円となりますので、免税事業者のままでいるよりお得になります。

またインボイス制度開始後にあたっては、免税事業所のままとした場合は、請求書に消費税を載せないように注意が必要です。請求書以外にもチラシなども税込表示となっていないか一度ご確認ください。

課税事業者が行う対応

課税事業者の場合は、売上・支払双方で対応が必要となります。

まず顧客からの売上を受領する際、発行する請求書は適格請求書となります。適格請求書発行事業者申請が必要になり、税務署もしくはe-Taxから申請が可能で、申請が完了している場合には公表サイト確認が可能です。登録が完了しましたら、適格請求書のフォーマットで請求書を発行する必要があります。発行する際には発行事業所の登録番号を記載するなど適格請求書のルールの確認が必要です。

次に支払に関しては、取引をしている仕入先が免税事業者なのか課税事業者なのかを必ず確認しておく必要があります。仕入先が1免税事業者の場合は、上記免税事業者の対応でご紹介したように、仕入金額を10%増額するのか、今までの金額のままでよいのか等の確認が必要になります。そのため公表サイトや仕入先に直接確認が必要です。

また仕入先が免税事業者の場合でも、免税事業者に消費税として支払うことはできませんが、8割を支払ったとみなしてよいという経過措置が取られています。ただ、こちらの経過措置を使う場合も会計処理が複雑になりますので、必ず開始前に確認が必要です。

まとめ

これまで2回にわたってインボイス制度の概要と学習塾が取るべき対応について簡単にご紹介してきました。ご自身の学習塾の規模等にもより取るべき対応も異なりますので、ぜひこの機会にご確認ください。

塾エイドでは、インボイス制度への対応や会計・バックオフィス業務のご相談も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。最後までご覧いただきありがとうございました。

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2024/1/21更新