第2回 働き方改革と労働基準法改正

「押さえておくべき!働き方改革による改正」の第2回「働き方改革と労働基準法改正」ということで、前回は昨今よく耳にする働き方改革の3つの柱について改めてご紹介いたしました。
前回の記事はこちら
今回はその働き方改革に伴い、労働基準法がどのように改正されたのかついてご紹介いたします。
ご自身の学習塾での雇用方法や働き方を見直す参考にしてみてください!!
目次
目次
- 労働基準法改正ポイント①:時間外労働上限規制と罰則
- 労働基準法改正ポイント②:36協定の様式変更
- 労働基準法改正ポイント③:月60時間超の割増賃金
- 労働基準法改正ポイント④:年次有給休暇の5日間義務化
- おわりに
1.労働基準法改正ポイント①:時間外労働上限規制と罰則
前回働き方改革1つ目の柱「労働時間の是正」でも、簡単にご紹介しましたが、過剰労働による過労死を防止するため、労働時間の上限規制と罰則が設けられました。
原則、時間外労働の上限は、
- 月45時間以内
- 年360時間以内
までと定められました。
ただし、例外も設けられており、特別な理由がある場合のみ、
- 月100時間未満
- 年720時間以内
- 2~6か月以内の平均時間外労働はすべて80時間以内
- 月45時間を超える時間外労働は、年6回を超えてはならない
とされています。
これらの時間外労働上限規制に違反した場合、「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられます。
時間外労働上限規制等については、中小企業には適用猶予措置がとられていましたが、2020年4月からは企業規模が基準を満たせば、中小企業にも適用が拡大されました。
罰則規定もかなり厳しく設定されておりますので、労働時間の把握は労働者への周知が非常に重要になります。
2.労働基準法改正ポイント②:36協定の様式変更
上記ポイント①の改正にあわせて、36協定の様式も変更され、時間外労働の時間数把握や労働者の健康を守る措置に重点が置かれました。
具体的な変更様式では、以下の記載が必要になりました。
- 限度時間を超えて労働させることができる場合(具体的内容記入)
- 限度額を超えて労働させる労働者に対する健康・福祉を確保するための措置(医師による面談、健康診断、相談窓口など)
- 限度額を超えた労働に係る割増賃金率
- 限度時間を超えて労働させる場合における手続き
3.労働基準法改正ポイント③:月60時間超の割増賃金
現行の制度では、1か月間で60時間を超える時間外労働をさせた場合、その超えた分の時間外労働については法定割増賃金率が50%以上となっています。
しかし、経営力が必ずしも強くない中小企業に対しては、50%以上への引き上げが猶予され、60時間を超える分の時間外労働の法定割増賃金率も25%以上に据え置かれていました。これが、働き方改革関連法が成立したことによって、2023年4月からは中小企業でも法定割増賃金率が50%以上になります。
4.労働基準法改正ポイント④:年次有給休暇の5日間義務化
年次有給休暇が10日以上付与されている労働者には、年5日の年次有給休暇を取得させることが使用者の義務とされました。時季指定を行う場合には、労働者の意見聴取を行い、
できる限り労働者の希望に沿った取得時期になるよう、聴取した意見を尊重するよう努めなければなりません。また年5日以上取得させなかった場合には、30万以下の罰金が科され、使用者は労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存しなければなりません。
5.おわりに
このように働き方改革によって、労働基準法も改正され、より労働者の労働環境是正に努めるよう規定されています。
次回は労働基準法以外に働き方改革によって企業が順守しなければならない法改正についてと、これらの法改正によって中小企業を取り巻く環境はどのように変化していくのか、どのような取り組みが必要なのかご紹介いたします。
次回の記事はこちら
2021/11/10更新

