2024年11月開催「2024年 年末調整編!学習塾のための定額減税」セミナーレポート

皆さんこんにちは!塾エイド事務局です。
2024年11月に塾エイドで実施しましたオンラインセミナー「2024年 年末調整編!学習塾のための定額減税セミナー」についてご紹介します。
講師は、弊会塾エイドの根本陽です。
今年度の税制改正にともなって、給与を支払っている事業者はすべて、対応が必要です。
今年度の年末調整業務の前にぜひ一度ご確認ください!
目次
定額減税の制度要件(おさらい)
定額減税は2024年6月に始まった制度です。
一人当たり、住民税1万円、所得税3万円の計4万円が減税されるというもので、扶養家族がいればその人数分の減税を受けることができます。
定額減税の対象者は、下記のとおりです。
・令和6年分住民税・所得税の納税者
・国内居住者
・甲欄適用者(メインとなる給与をもらっている会社)
・収入が103万円以下の同一生計配偶者
・本人の扶養家族

(出典:塾エイドセミナー資料)
住民税はすでに各市区町村で処理が完了しています。
事業者が「月次減税」および「年調減税」の対応が必要なのは、「所得税」です。
定額減税の概要および、月次減税については、下記のレポートで詳しく解説しておりますので、あわせてお読みください!
2024年5月開催「学習塾のための定額減税」ミニセミナーレポート【前編】〜概要・住民税〜
2024年5月開催「学習塾のための定額減税」ミニセミナーレポート【後編】〜所得税〜
定額減税(年末調整)
年末調整時の定額減税は、略して「年調減税」と呼ばれます。
「年調減税」とは、年末調整時に最終的な従業員の所得・申告書情報に基づいて、定額減税額を確定し、減税を行う処理のことを言います。
「月次減税」が開始された2024年6月以降に発生した変更(就職・退職・扶養家族数の変更など)や、月次減税で引き終わらなかった残りの減税額を、年調減税で精算します。
「年調減税」にあたって、事業者が把握しておくべきポイントは下記の2点です。
◆ 年調減税の対象者
◆ 年調減税の計算方法
年調減税の対象者
まず、定額減税の対象者を判定する日付が、「月次減税」と「年調減税」では異なります。
「月次減税」の対象者は、2024年6月1日時点の情報を基に判定されましたが、「年調減税」は2024年12月31日時点の情報が基になります。
極端な例でいえば、2024年12月30日に生まれたお子さんが扶養家族となった場合も、年調減税の対象となります。
また、下記のケースは、通常の年末調整の所得控除条件と対象条件が異なるため注意が必要です。
■ 同一生計配偶者
同一生計の配偶者は、103万円以上の給与を得ていても「配偶者特別控除」の対象となるケースがありますが、「年調減税」の対象は、合計所得金額48万円(収入103万円)以下の方のみです。
■ 年少扶養親族
16歳未満の年少扶養控除は現在廃止されていますが、16歳未満であっても合計所得金額が48万円(収入103万円)以下であれば「年調減税」の対象です。

(出典:塾エイドセミナー資料)
年調減税の計算方法
それでは、年末調整時のどのタイミングで、「年調減税」は行われるのでしょうか。
まず、ご存じのように、従業員から「毎月徴収してきた所得税額」とその年に徴収すべき「本来の所得税額」を比較して、「還付」または「追徴」して所得税額を適正に調整することが「年末調整」です。

(出典:塾エイドセミナー資料)
通常の場合の年末調整は、下のイメージ図の順に、各種控除額を引いて算出された「年調所得税額」と「毎月徴収した所得税額合計」を比較します。

(出典:塾エイドセミナー資料)
2024年度の年末調整は、この最後の「年調所得税額」からさらに、「定額減税」の所得税減税分を引いた金額である「年調減税後年調所得税額」と「毎月徴収した所得税合計」を比較することになります。
つまり、例年通りの計算の最後に、「年調減税」をする形です。

(出典:塾エイドセミナー資料)
分かりやすい例で、もう少しご説明しましょう。
下図の例でいうと、2024年6月1日時点で、「扶養親族が1名」の方の場合、所得税の定額減税額は、「計6万円」です。
12月31日までの間にお子さんが生まれるなどして、「扶養親族が2人」になった場合の定額減税額は「計9万円」となります。

(出典:塾エイドセミナー資料)
年調減税の計算方法としては、まず「毎月徴収した所得税額」がいくらかを調べます。(①)
次に今年の収入の合計額から「今年の本来の所得税額」を算出し、そこから「年調減税」分の9万円を引いて、「今年の最終的な所得税額」を計算します。(②)
そして、①と②を比べて、①の方が多ければ差額を「還付」します。
上の図の例でいくと、今年度支払った所得税の額が10万円(①)で、本来支払うべき所得税額が4万円(②)なので、差額の6万円が還付されることになります。
「年調減税」で考慮すべきは、「実際にいくら所得税を払ったか」と「納めるべき所得税額がいくらか」という2点だけです。
つまり、6月以降に扶養人数の変更等で減税額が変わっても、「年末調整時の減税額」だけを把握していればよく、また、6月以降に中途入社した従業員がいても、「前職で月次減税をいくら行ったか」知る必要はありません。(「前職の源泉徴収額+現職の源泉徴収額」と「年調減税後の最終的な税額」を比較するだけでOK!)
以上が基本的な「年調減税」の計算方法で、2024年の年調減税時に必要な情報は、①12月までの所得税徴収額と②12月31日時点の扶養情報(収入額)のみ、ということができます。
「こういう場合はどうなるの?」と、疑問に思われるであろうケースは下記の3点です。
■ 定額減税額が多い場合
扶養する親族の数が多い場合など、「年調減税額」が「納付すべき所得税額」を上回ってしまうケースも考えられます。
その場合、引ききれなかった金額は、市区町村から対象従業員へ直接給付されます。
そのため事業者は、「納付すべき所得税額」上限までを「年調減税」として還付し、残りは「控除外額」として源泉徴収票に記載、1月に「給与支払い報告書」を市区町村に提出すればOKです。
■ 「調整給付金」をすでに受け取っている場合
定額減税額が納税額を上回ると見込まれる方に対して、前もって定額減税しきれない額を支給しておくことを「調整給付金」と呼びます。
事業者は、従業員がすでに「調整給付金」を受け取っているかどうかを気にする必要はありません。
通常の年末調整(年調減税)を行うだけでOKです。
最終的な給付額は、市区町村が計算して調整します。
■ 従業員の収入金額が103万円以下(非課税の場合)
学習塾で講師として働いている学生など、所得税が非課税である場合も想定されます。
「講師自身が家族の扶養に入っているか」「調整給付金をもらっているか」など、気になるところではありますが、そういうチェックおよび調整は市区町村が行います。
したがって、事業者は、下図のフローチャートのように、年末調整が必要な従業員について、「控除外額」を記載すればよいのです。

(出典:塾エイドセミナー資料)
セミナー質疑応答より
最後に、セミナー内での質疑応答を紹介いたします。
Q1.「 合計所得金額」はいつからいつまでですか?
A1. 2024年1月から12月までの支給給与ベースで算出します。12月の給与は確定していませんので、「おおよそ」の金額となります。
Q2. 別居の家族も扶養に含まれますか。
A2. 「生計を一にしている」限りは、含まれます。
生計を一にしているかどうかの判定は、細かいルールがありますが、
原則として、「仕送りをして生活を支えている」ことが分かる状態であれば
OKといえます。
Q3. 「乙欄」の従業員の扱いはどうなりますか?
A3. 年末調整を自社で行わない「乙欄」の従業員については、例年どおり
「源泉調整票」を作成し、役所に報告するだけです。
ご本人が確定申告時に「年調減税」を受けることもできます。
まとめ
いかがでしたか?
ここまで、塾エイドで11月に開催したオンラインセミナー「2024年 年末調整編!学習塾のための定額減税セミナー」の内容をお届けしました。
全体をとおして、2024年の「年調減税」の主なポイントは下記の3点です。
1.年調減税が行われるタイミング
→年調減税は、配偶者控除や住宅ローン控除を引いた後に行われる!
2.月次減税との関係性
→年調減税において、月次減税の処理内容を気にする必要なし!
3.減税しきれなかった金額の対応
→減税しきれない金額は『控除外額』として源泉徴収票に記載!
あとは市区町村が対応・給付してくれる!
今年度の年末調整の際に、お役立ていただければ幸いです。
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2024/12/5更新


